飛べない蝶と空の鯱 ~蒼の彼方より、最果てへ~1 感想

物語は新章へ!空の果てへの旅が始まる――

「北の地には、来てはならぬのです――」
そう伝言を残して、ハイフォニアから消えてしまった<夜姫>ヒルダ。
失踪したヒルダを追って、ウィルとジェシカは北の大陸、ティエラへ。
そこから北へは行くことができない、「北の空の門」で、ウィルとジェシカが遭遇したものは、「機械の翼」をもつ無人機による攻撃だった!
壁に囲まれ、霧が薄く、<霧鍵式>が役に立たない世界。霧の文明とは違った、「失われた文明」をもつ北の大地には、この世界の成り立ち、さらには空の果てへの鍵が隠されているのか――。
すべての島を堕とし、世界の再構築を狙う<七つの鍵>、そして空の最果てを目指すウィルとジェシカ、そしてとんでもない力を持った「魔女」たちが、北の果てで相まみえる!!
魔法と空戦のファンタジー、新章に突入!

 旧シリーズからナンバーリングが一新されて新章に入った1巻。まず表紙をめくったあとの見開きのカラーページが目につきます。ウィルとジェシカが背合わせで寄り添ってる絵がとても印象強く、またそのジェシカの表情がたまらなかったです。
 内容は新章に入ったということで舞台も空が広がる群島から、ヒルダを追ってたどり着いた空がない国へと移り変わります。そこでまた新しいキャラが登場し、<7つの鍵>を巡ってウィルたちが闘いに巻き込まれていくという展開になっていました。
 旧シリーズ1巻を思い返すと、レンを含めウィルたちは肉体的・精神面においてかなり成長しているように感じ取れます。少し落ち着いた雰囲気が出てきたのかな?その反面、ウィルジェシカのイチャラブ度まで急激に上昇しているわけですが……。(いいぞもっとやれ)そしてストーリーの中で一番印象深く残っているのは、空を知らないイスカが翼船でみた果てなく広がる景色。絵としては出て来ませんが、このシーンを想像するだけで高揚感や探究心が芽生えてくるであろうということは読者側であっても感じ取れます。本当に良かった。「世界の全ては、白と蒼―今は赤い―空に包まれていた。」
 今巻の引きも次巻に繋げるための不安を置き土産のように残していきました。ここでCMです^^って言われたような気分ですが、ストーリ展開としては一段落あったので切りが良かったです。また次のお話に期待してます。イスカさん何者なんですかね……。