やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8巻 感想

 「君のやり方では、本当に助けたい誰かに出会ったとき、助けることは出来ないよ」あらすじにもあるこのセリフ。自分は人を救うことが出来るほどの存在なんかじゃないと否定する八幡。これのセリフでいつか救いたい存在が現れることはもうわかったんじゃないですかね。7,5巻を挟んでの刊行でしたが、7巻以上に重い。原作者のわたりんは、この作品のターニングポイントであり、終わりに向けて加速するとおっしゃってました。読んだあとの感想はなるほど、わからねーよ。ってなりましたが、自分なりにかい摘んで理解し得た(と思い込んでる)ことだけでもと思いました。

 初めから前巻の陰鬱な雰囲気を引きずってます。そこから小町との喧嘩に繋がり、新しく来た依頼はいよいよ奉仕部の今後が左右される展開に。八幡の変わらないやり方に納得がいかない雪乃と結衣とで別のアプローチを画策することになります。

 今巻の大きなイベントである選挙戦とは別で、八幡と葉山のデート(はやはちじゃない。いや、はやはち?)があります。八幡の中学時代の同級生+その友人とのデートを焚きつけた陽乃は何を思っているのか。葉山の過去を知っているからこそ、八幡と葉山の組み合わせに何かを見出しているのか。事実、葉山の「結局、本当に人を好きになったことがないんだろうな。……君も、俺も」という発言に対して八幡も期待していたところがあったように見受けられました。しかし、肝心なところでまちがっている。結局葉山が取った行動は傍からみれば、いままでの八幡のやり方と同じように見受けられたかもしれないが、そこに付随する感情が噛み合っていなかった。葉山は八幡に対して今までの行動は利己的な打算の上での行動ではないかと問うた。葉山の発言と行動は読みにくいです。ただ、八幡からしてみれば葉山からの自己犠牲という評価は、上から目線の同情という扱いになってしまったことは理解出来ました。


 うん。なんかごちゃごちゃしてきたので、簡潔にいきましょ!

 まず今回変わり始めたのは八幡。陽乃に言われた『理性の化け物』という言葉。効率化を極め、最善を尽くし、結果を出す。主観的な面から見れば自己完結に繋がり、同情や相互理解を不要とするようなもの。八幡の自己評価にもある自意識の化け物である。奉仕部を失いたくないと願う結衣の行動と小町の八幡に対する行動の意味付けを通じて、同情や憐れみ以外の客観性の存在を認識した八幡は、自分また、もしかしたら彼女の求めていたモノを見出したのかもしれない。7巻のあの時の結衣の感情を八幡は身を持って知ったのかな。
 
結果的に見れば奉仕部三人が犠牲とならない答えを導き出せたはずだった。雪乃の姿に違和感を覚える八幡は、何かをまちがえたのかと自問自答する。冒頭、巻末にある選択肢の選び直しというワードが今後のテーマになっていくのではと思う。選び直しが出来なくても、選ぶことは出来るし、まちがえたとしても取り返しがつかなくても、『本物』を掴み取れると信じてます。「わかるものだとばかり、思っていたのね……」という心に引っかかる言葉は、雪乃の会長立候補に何かしら意図があったということかな?奉仕部という枠組みと、めぐり先輩の時期生徒会の理想を重ねあわせてみると、少しだけ答えのような気がしなくもないですね(あえてぼかし

ゆきのん、ほんとにこの二人との関係が好きなんだなって。変わっていく八幡と、変わってほしくないけどそれに抗えない奉仕部の関係。物語が終わりに近づく頃には、大事なこと、守りたいものを3人で作り上げられるといいですね。


ブログが7月以来だって?い、いやアレなんスよ。そうアレ。アレだから仕方ないよね!MOTHERにでてくるアレ並にはしぶとくかろうじて生きてますから!


P.S.川なんとかさんのかわいい姿が見られてよかったです。もっとください!