特異点の特異領域 2 感想

 <あらすじ>今や世界国家第一大学一の奇才ともてはやされるまでになった賢悟。そんな賢悟に日本政府が極秘プロジェクト参加を要請。だが、話にきな臭さを感じた賢悟は要請を拒否するのだった。
 一方、プロジェクト関係者を狙ったテロが頻発。時代錯誤な侍装束に、文字通りの光速の居合を操る怪人物。その男は統一宗教、正導十三聖騎士を名乗る。そして、彼の次の標的となったのが賢悟だった。かくして、賢悟と侍の死闘が始まるのだが!?

 長いことかけてやっと読み終わりました。前巻の発売後、著者の範乃さんのインタビューで続篇も考えていると仰っていて、待ちに待って刊行された2巻。前作は「心理へ迫る七秒間」という副題のようなものが付いていて、それが物語のクライマックスにおけるキーポイントになっていました。今回は「非科学的な神の証明」という副題がついています。前作に引き続き相変わらず世界観を作り上げる専門用語が多い!その上、「特異領域論」をさらに掘り下げる内容に。専門誌か何かですかこれ……。専門誌読んだこと無いけど。
 物語は園崎博士の「人類進化計画」という実験の影響から、物質の性質を無いものにしてしまうという「幽霊化」という現象の急速的な蔓延を引き起こすことから佳境に入ります。凡人が天才を超えたいからこそ、起こした悲劇。結局園崎は天才をを凌駕する問題を引き起こしたかったのか。スケールが日本国家、世界全体、さらには宇宙にまで広がります(笑
自分でもいまいちまとめ切れないのがこの作品。確かに読者を引き込む筆力と構成を持ってして自由に書かれてる作品だとは思います。一巻でも感じた清十郎の賢吾に対する劣等感や、人工生命体であるカナとそのモデルである賢吾の妹の過去の掘り下げなど、主人公以外のキャラもしっかりと見せ場があります。
 神への冒涜とされる科学。それとも科学とは神なのか。観測における視点と人の思いにも影響されるものかと。科学を信じることも神を信じることも、また科学を疑い神を疑うこともどれも等しいものではないのだろうかと思いました。確立は数字にできるけれど、運とはまた違ったものですしね。
 よくわからない見解をつらつらと述べて収拾がつかなくなってしまいました。次巻もとっても楽しみです。


「かんらから、かんらからから、かんらからよ!」誰かこれのイントネーションみたいなものを教えて下さい。すっごく気になります(笑 

でわでわこのあたりで。