飛べない蝶と空の鯱 3 感想

「墜ちろ――」
少女の羽を引き裂き、空から堕とした男。
なぜ、男は裏切り、そして世界を滅ぼそうとするのか――。
翼舟に跨り、空に浮かぶ島と島を行き交い、命を懸けて人の「記憶」を運ぶ武装郵便屋「渡り鳥」。郵便屋「蝶と鯱」を経営するウィルとジェシカに新たに舞い込んだ依頼は、かつての仲間であり――そして、ジェシカから空を奪った男への配達依頼だった。
空を失った少女・ジェシカと不器用で飛ぶことが下手な少年・ウィル。それでも「空の最果て」を目指す二人の、出会いの記憶。
約束と絆、裏切りと傷跡の物語。

今巻は主にウィル、ジェシカがバディを組んだ経緯について書かれています。過去に何があったのか。
ひょんなことからレンとのやり取りのせいで、ウィルとジェシカの過去がウィル視点で明らかになります。出会いの際に現れたビルギットという青年を含め、当初は三人組だった彼らは空に対する憧れを抱き進みます。しかし、ある日ジェシカが霧妖という化け物であることが判明し、驚きを隠せない二人。紆余曲折を経て、改めて三人の絆を深めていくことになった後でのビルギットの突然の裏切り。そのせいで空に対する恐怖を植え付けられたのでした。
ここでやっと裏切りった「昔の友」という謎の一つが解明されました。ただそれだけではありません。
ビルギットの裏切りの理由。彼のさらなる過去への想いなど、<渡り鳥>として背負っているものも一緒に明らかになります。セラという女の子と、<渡り鳥>として共に進もうとしたビルギットは幼いウィルとジェシカが乗っていた飛行船の近くを飛んでいました。そのときの事故でセラの方は死んでしまいます。ビルギットはひとつの封書を通じて、セラの死を覆すことができるという確信を持って<7つの鍵>集めに組みしてるとのことでした。
大まかなまとめとしては、幼い頃に飛行船に偶然にも乗りあわせたウィルとジェシカ。その二人がその場で見た空飛ぶセラ、ビルギットの二人組に憧れ、いつか二人で空を飛ぼうと約束した。突如襲われる飛行船。墜落する飛行船にジェシカを見つけたセラは自分を犠牲にしながらも助けにいき、帰らぬ人(作中ではある方法で延命している)となった。そんな感じでしょうか。憧れた存在が裏切った友って悲しいですね。
 この巻でようやく一段落ついた気がします。あとは<7つの鍵>を巡っての世界の存亡と、ウィルたちが目指す「空の最果て」についてのストーリー展開がメインになってくると思うので、楽しみです。

感想ってなんなんでしょう。これ感想じゃなくて、お話を簡潔にまとめてるだけやん……。

この文を読んで実際この作品を読まれた方はあれ?と感じると思いますが、感想(まとめですね笑)を書くにあたって、作中にある叙述トリックを意識しているためですのでご注意くださいませ!